プレイについて: 一般的にスポーツの「プレイ」というと、実際の運動行動を指す事が多いのですが、マジックでは少し違います。マジックは、ライブラリーから手札にカードを取り、手札から場に出す時「プレイ」と言います。 マジックにはカードを動かす毎に呼び方があるので、早めに覚えると良いでしょう。また、これがマジックを面白くしている理由の一つでもあります。例として、ゲームを始めるところから見てみましょう。 【 カードの束「デッキ」をお互いに用意し、それを「ライブラリー」として「シャッフル」し、お互いに「カット」。先攻後攻を決めて、先攻は「ドロー」を飛ばして「プレイ」する。】 最初の流れで既に、6つのキーワードが出ています。それぞれを、このサイトの[ Wards ]で調べるとわかりやすいかと思います。 先攻の初手に土地カードがあれば、まず殆どの場合、土地を場に出しますがこれも「プレイ」といいます。(一部プレイヤーの内輪で、セットランド或いはランドセットと呼ぶことがありますが、海外では通じません。注意してください※マジックの用語でセットランドという言葉がない為です)更に、土地を{T}=タップしクリーチャーカードを場に出す「プレイ」をしたとしましょう。このとき、クリーチャーは場に出るまで「呪文」だと言う事に注意してください。 クリーチャーだけではありません。手札から、マナを使ってカードを場に出す行動は、全て「呪文」を唱えている状態です。これらは全て「スタック」に一度置かれ、解決を待つことになります。その後対戦相手が何もしないと、そのまま解決され、場に出ます。この時点で初めてこのクリーチャーカードは場にある「パーマネント」となります。 マジックは、カードを手札から出し「スタックに置かれた状態」が存在するため、この時、相手に「呪文」を打ち消すカードを使うチャンスが与えられます。この時使う呪文がいわゆる「カウンター」です。 呪文は、打ち消された場合、場に出ずその打ち消されたカードは墓地に行きます。最初のうちは、この仕組みがわからず、戸惑うかもしれません。また、場に出たパーマネントの起動型能力や、常在型能力、誘発型能力は呪文ではありません。なので、呪文を打ち消すカードではそれらを阻止する事ができません。手札からプレイする事と、場にあるパーマネントの能力を使う事は、根本的に違う事に注意してください。 ここで余談になりますが、カードをプレイする基本的な手順があります。 日本語における5W2Hと同じで、その手順どおりにプレイすれば、あらかたの間違いは防ぐことが出来ます。 以下は、手札からクリーチャー・カードを出す場合の基本的な手順です。 1.マナをマナプールに加える。(土地・ないしマナ能力の使用) 2.使うカードを宣言する。(使うカードを手札から相手に見せる) 3.カードに対象を指定する必要があるならば指定する。(指定先のカードに、使うカードをかざす) 4.効果があるなら、効果を相手に告げる。(カードを場に「仮に」置く) 5.スタックに置く 。(相手の行動を待つ) このうち、2と1の順序は入れ替わっても問題が無いように思えますが、実はこの順番の方が、マナバーンを防ぎやすいことがわかります。また、マナプールが足りるのかどうかも判りますね。 呪文についても、ここで書きとめておきましょう。 既に上でも書きましたが、呪文は手札から場に出る時のカードの状態を言います。 これを判りやすく言うと、マナをマナプールに加えた後、場に出すカードを見せて「場に置いてよいか相手に尋ねている状態」と言えるでしょう。インスタント、ソーサリーで言えば、「そのカードを使ってよいか相手に尋ねている状態」といえば判るでしょうか。相手がそのまま何もしないでOKを出せば(OKであれば、相手は何も行動しません)、そのカードは場に置く事を許され場に置けますし、インスタント、ソーサリーなどの一目で「呪文」と判りやすいカードであれば、それを使用して、効果をスタックに置く事になります。 一方、起動型能力等の〜能力というものは、マナをマナプールに加え、コストを支払う事が終了すると、カードを出してよいと認めたと同じ状態になるわけで、能力の効果自体がスタックに置かれます。つまり呪文ではないわけですね。なので、呪文を打ち消すカードの対象として選べないわけです。 但し、その中で常在型能力だけは、そのカードが場にある限り常に働いているので、その効果はスタックに置かれず即解決されます。スタックに置かれる状態が、その能力や効果がどこから来たのかで、打ち消す事ができるかどうか、判断の基準になるでしょう。 ちなみに、起動型能力が絶対に打ち消されないかというと、そうではありません。替わりに、《信仰の足枷(RAV)》のように、起動型能力を使えなくするものがあるからです。そのほか、起動型能力を使って、手札からクリーチャーを出したり、ライブラリーからクリーチャーカードを探し出して場に出したりする事もありますが、これらは全て「何のためにマナを使ったのか」判断すれば判りやすいでしょう。 もちろん、起動型能力によって、クリーチャーが場に出た場合、起動型能力は呪文ではないのでクリーチャーが場に出ることを打ち消すことは出来ません。マナを使ってクリーチャーを出した時と、違うのです。こうした「何の能力で、どんなことがおきたか」を把握しないと、プレイミスや勘違いを誘います。 したがって、マジックのプレイでは、今何をしているのか、どちらのターンで、フェイズは何で、どちらが優先権を持っているのかが、とても大切な意味を持っています。プレイヤーはそれらを対戦相手ともども、きちんとわかりやすくコールする事が求められるのです。このあたりが、競技と言われる所以であるかもしれません。 |
|||||||||||||||||||
再生について:
再生の能力は「カードを破壊する」を「再生の盾」で受けて置換するものです。 なので、パワー/タフネスの変化によって「パワー/タフネスが0以下のパーマネントは墓地に置かれる」ルールにより、タフネスをマイナスまで修正されたものは救えません。但し、一部修正されて戦闘ダメージが処理された場合、例えば、戦闘ダメージステップ前に3/3クリーチャーが-1/-1修正で2/2クリーチャーとなり、致死ダメージを受ける場合は再生を使用して破壊を防ぐ事が出来ます。 また、戦闘フェイズで3/3クリーチャーが2のダメージを受け、その後の第二メインフェイズで-1/-1修正を受けた場合でも、第二メインフェイズ中に最初の2ダメージについて再生を使用してダメージを取り除ける為、墓地へ行く事を防ぐ事が出来ます。勿論、-1/-1修正を受けた時に再生を使わなければ墓地へいきます。 「再生されると、タップされるので、もう一度再生は出来ない? 」 これは、よく誤解されますが、戦闘フェイズ中にのみ、再生したクリーチャーはタップされ、戦闘から取り除かれます(場を移動するわけではありません)。逆に、再生する為のコストとしてタップされるクリーチャーであれば、再生は1度しか使えないことになりますが、そうでないならばコストを支払うことが可能な限り、何回でも再生を使うことが出来ます。 コストにタップを含んでいても、場にそれをアンタップする「何かがあれば」それを使ってアンタップして再生を使う、ということが可能です。 パワー/タフネスについても、ここで書きとめておきます。 致死ダメージに至らないダメージは、ターン終了までクリーチャーが持ち続けていますが、戦闘ダメージはクリーチャーのパワー/タフネスを減らす物ではないという事に注意しましょう。 クリーチャーを破壊するにはタフネス以上(以上とはその数字を含みます)のダメージを与えなければなりません。 例えば、3/3クリーチャーが戦闘ダメージを2受けた後には、パワー/タフネスは3/1になっているわけではありません。2のダメージを受けている3/3クリーチャーなのです。 したがって、この後例えば+2/+2の修正を受けると、パワー/タフネスは5/3ではなく、5/5のクリーチャーとなります。けれどもダメージを持ったままなので、2のダメージを受けている5/5クリーチャーという解釈になります。この後、タフネスが5以上のクリーチャーが〜などの効果をもったカードがプレイされた場合(《血の渇き(5E)》など)、このクリーチャーはその効果を受けます。 |
|||||||||||||||||||
生け贄について: 生け贄はどのタイミングでもできます。ただし、場にあるパーマネントしかできません。手札にあるカードを生け贄にはできませんし、手札のカードを墓地に置く事は、カードを捨てるといいます。 間違えやすいのは、ある起動型能力のコストとしてそのパーマネントを生け贄にした場合や、あるカードの効果によってそのパーマネントを生け贄にした場合、その生け贄にしたパーマネントの中に、起動型能力をもっていても、使うことはできません。 例えば、《凍らし(BOK)》は、生け贄にするとクリーチャーへ1ダメージを与える起動型能力をもっていますが、他の起動型能力のコストとしてこのクリーチャーを生け贄にした場合、凍らし自身の起動型能力は使えません。 起動型能力についても、ここで書きとめておきます。 起動型能力はカードテキストに「コスト:〜」の形式で書かれているものです。 これらはスタックに置かれ解決を待ちますが、起動型能力のコストは、たとえその後、対象先が不適正になっても戻ってきません。また、コストがそれを支払う事が可能な限り、繰り返し起動してスタックに置く事が出来ます。起動型能力のコストに{T}も含むことがありますが、{T}する事が起動することと必ずしも一致していませんので、テキストに気をつけましょう。 また、起動型能力は相手のターンでも使えますが、クリーチャーに限りそのクリーチャーのコントローラーがターン開始からそのクリーチャーをコントロールしていないと{T}を含む起動型能力は使えません。(これを俗に召喚酔いと言ってます) ターン開始とは開始フェイズの事で、メインフェイズの前にあります。ですから、メインフェイズに出したクリーチャーは、次のオーナーのターンまで{T}を含む起動型能力が使えません。 但し、生け贄は{T}を含まない限り可能です。{W}などマナコストのみの起動型能力は、クリーチャーをプレイしたターンにも使う事が出来ます。 例えば《思考抜きの魔女(RAV)》の、起動型能力のコストは「{1}、クリーチャー1体を生け贄にする:」なので、自身を生け贄のコストとして使い、起動型能力を使う事ができます。 |
|||||||||||||||||||
アーティファクト−装備品について: プレイする為のコストと、装備する為のコストがあります。 それぞれに指定のあるマナコストが必要ですが、装備品を外すことは出来ません。しかし、《手裏剣(BOK)》のように起動型能力に「外す」とある場合、それは起動型能力のコストとして支払うため、能力を使った後は装備されていない状態になります。 装備は殆どの場合、ソーサリータイミング(つまりメインフェイズ中)で行います。 また、装備する為のコストを払い、装備相手を変える事はできますが、これは外すことになりません。なので、外すためのコストとして「他のクリーチャーに装備」して支払う事はできません。 装備品を持ったクリーチャーを破壊し、墓地に送ったとしても、装備品は場に残ります。 エンチャント−オーラとは扱いが違う事に注意して下さい。 また、装備品を装備したクリーチャーのコントロールを奪ったとしても、装備品のコントロールを奪った事にはなりません。また、装備品もパーマネントの一つなので、例えば、《ラジアの浄化(RAV)》などでパーマネントとして選ぶ事が出来ます。 パーマネントについても、ここで書きとめておきます。 パーマネントとは、場に残るカードです。なので、インスタント・カード、ソーサリー・カードは含まれません。 |
|||||||||||||||||||
トランプルについて: 攻撃側クリーチャーに限って効果がある能力です。 これは、アタック指定されたクリーチャーがブロックされた場合、ブロック・クリーチャーを破壊するパワーを割り振ってなおパワーが余る場合、余ったパワーをプレイヤーに割り振り、ダメージを与える事が出来る能力です。これは、防御時には関係ありません。 例えば、5/5トランプル持ちのクリーチャーがアタック指定され、2/2のクリーチャー2体にブロックされた場合、まずブロック・クリーチャー2体に5のパワーを、アタック側のプレイヤーが好きなように割り振ります。その際、2体を破壊するに等しいパワーを割り振るのが通常ですが、1体に3、1体に2と割り振ると、トランプルの能力を持っていても、防御プレイヤーにダメージを与える事が出来ません(パワーに余りが無い為)。逆に、1体に1、1体に1と割り振り、残りの3を防御プレイヤーに割り振ると言う事も出来ません。トランプルは、防御側の全てのクリーチャーを破壊するパワーを割り振る必要があるからです。 例の場合、1体に2、1体に2を割り振り、残りのパワー1を防御プレイヤーに割り振ってダメージの処理をする事になります。 また、ダメージの割り振りは与える側が決め、プレイヤーにいくつのダメージを割り振るかを宣言する必要があります。 もう一つの例として、同じ5/5トランプル持ちクリーチャーが、1/2のクリーチャー2体にブロックされ、ダメージ割り振りを、2(クリーチャー):2(クリーチャー):1(プレイヤー)としてスタックに置いた後、ブロック・クリーチャー1体が生け贄にされた場合、トランプル持ちのクリーチャーが、防御側プレイヤーにダメージ3を与えられるかというと、そうではありません。スタックに置かれた後は、その後クリーチャーの状態に関わらず、処理されるからです。 ダメージを割り振った後、如何にクリーチャーのパワーが変化したとしても、割り振った数字を変更することは出来ません。また、ダメージ割り振り後、クリーチャーのパワーが下がったとしても、割り振った数字どおりダメージは処理することになります。 クリーチャーのその他の能力についても、迷いやすいものを、ここで書きとめておきます。 先制攻撃: 相手クリーチャーより先に戦闘ダメージを与える事が出来る能力です。 相手のクリーチャーとパワー/タフネスが同じ場合、先に相手のクリーチャーを破壊する事が出来ます。 二段攻撃: 先制攻撃と通常攻撃を持つ能力です。 この場合、パワー/タフネスが相手と同じ場合、ブロックされても破壊されませんが、トランプルを持っていないと、防御側プレイヤーにダメージを与えられません。なぜなら、ブロックされたクリーチャーは防御側プレイヤーにダメージを与えられないからで、先制攻撃で相手クリーチャーがいなくなっても、ブロックされた事実は変わらないためです。 また、二段攻撃を持つクリーチャーが2/2の場合、4/4、2/4クリーチャーを破壊できますが、こちらも破壊されます。 警戒: 攻撃クリーチャー指定時にタップしない能力です。 なので、自ターンで攻撃後、相手ターンで防御が可能です。 渡り: 防御側プレイヤーがコントロールするパーマネントによって、防御されなくなる能力です。 例えば、土地渡りとあれば、土地をコントロールしている防御側プレイヤーに防御されません。沼(山)渡りは、防御プレイヤーが沼(山)をコントロールしている場合、そのクリーチャーは防御されません。 攻撃側ではないことに注意してください。 防衛: 防御専用の能力です。 このクリーチャーは攻撃に参加する事が出来ないので、攻撃クリーチャー指定ステップに指定出来ません。 速攻: 通常、クリーチャーはターンの最初から(開始フェイズから)コントロールされていないと、そのターンの攻撃に参加出来ませんが、速攻を持つクリーチャーは、場に出たそのターンから攻撃に参加する事が出来ます。したがって、攻撃に参加する為には第一メインフェイズ(攻撃フェイズ前)で場に出す必要があります。 また速攻は、タップを含む起動型能力をも、場に出たそのターンで使えるようにする能力です。 |
|||||||||||||||||||
エンチャントについて: |
|||||||||||||||||||
プロテクションについて: 無敵能力と勘違いしそうですが、プロテクションは一定のルールがあります。 theマジックQ&Aに、大変判りやすい答えがありましたので、記しておきます。
このうち、良く迷うのは、最後の 『台』・呪文や能力の『対』象にならない と言う部分かと思います。 これは「対象とする」の文章がテキストにある能力や呪文の事を指します。例えば《神の怒り(9ED)》のテキストには「すべてのクリーチャーを破壊する。それらは再生できない。」とありますが、この中に「対象とする」という言葉がないので、プロテクション{W}を持つクリーチャーも破壊されます。 逆に《ヴィーアシーノの牙尾(RAV)》の場合、「{T}:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ヴィーアシーノの牙尾はそれに1点のダメージを与える。」とあるのでプロテクション{R}を持つクリーチャーは対象にできず、プレイヤー対象としか能力が使えません。 プロテクションは、既に持っているカードもあれば、プロテクションを与えるカードもあり、特に与えるカードの時に注意が必要です。というのも、例えば、《不死の断片(RAV)》がエンチャントされているクリーチャーに、プロテクション{B}を付けた時は、《不死の断片》はプロテクションの状況起因効果によって墓地に落ちます。 対象についても、ここで書きとめておきます。 マジックのルール・プレイのなかで、この言葉はとても重要な意味を持っています。先のプロテクションにも影響しますし、また二つ以上の対象を取る事ができる能力は、それぞれ呪文をプレイしたプレイヤーが指定する必要があります。勿論、一つの対象を取る場合も、出来る限り対象を指定するようにします。 また、《謙虚な武道家(CHK)》のように、呪文や能力の対象にならないと言うカードもあります。カードテキストを正しく解釈し、その通りのプレイに心がけましょう。 一番簡単なのは、カード・テキストのどこかに「対象とする=target」という言葉があるか、ないかです。実際は「この言葉があるかないか」でしか判断されません。 |
|||||||||||||||||||
土地について: |
|||||||||||||||||||
取り除いたカードについて: |
|||||||||||||||||||
トークンについて: |
|||||||||||||||||||
そのほか「Q&Aでは尋ねにくい」とか「いまさら聞けない」などの事柄があれば
掲示板を通じてお聞かせ下さい。papanが答えるなり、替わりにQ&Aで聞くなり
解決のお手伝いをさせていただきます。正しいプレイのために、ルールは正しく覚えましょう^^/
註)説明文中おかしな部分は適時修正します。ご指摘大歓迎です。